今回は、新製品「DJI Inspire 3」(以下Inspire 3)について紹介します!
2016年に発売された「DJI Inspire 2」(以下Inspire 2)から7年が経ち、機能面はどう変化しているのか。購入をご検討している方はぜひ最後まで読んでください!
【Inspire 3】とは
今回紹介するInspire 3は、Inspireシリーズの最新機体です。
Inspireシリーズについてもうご存知の方もいると思いますが、HD動画伝送システムと一体化し360°回転式ジンバルと4Kカメラを搭載した空撮に特化したドローンです。
主にCM、映画などの映像制作に活用されています。
初代のDJI Inspire 1から始まり、Inspire 2で映像処理システムがアップグレードされて6Kの動画撮影に対応できるようになり、注目を集めました。
機体の種別としては、コンシューマ機(一般機)にあたり、DJIのコンシューマ機の中では最もスペックが高いシリーズです。
カメラも映像制作に特化したZenmuseシリーズのカメラを搭載することができるのも特徴です。
そのシリーズの最新版であるInspire3は、高い測位精度を発揮できる8Kカメラドローンへと進化しました。カメラの性能が上がっただけではなく、機体やその他の要素も同様にグレードが上がっています。
次は、Inspire3の進化した機能や特徴について解説していきます。
Inspire3の特徴
1.機体
Inspire3は、機体フレームの変形設計を引き継いでおり、ランディングギアが下がっているときはジンバルは上向き80°までカメラを向けることができ、機体のフレームの映り込みなく撮影できるため今までにない斬新なショットを撮影できます。その他にも360°パンのフレームの変形が可能です。
障害物検知システムに関しましては、機体に9個のビジョンセンサーを使った全方向障害物検知システムを搭載。水平、上方、下方の障害物検知は、それぞれ個別で有効/無効にすることができ、撮影シナリオに合わせて障害物警告範囲の設定が可能。この機能は、能動的な障害物回避機能が無効になっている間、ナビゲーションディスプレイ上に障害物との距離をリアルタイムに表示し、障害物が設定範囲内にある時にアラームが鳴ります。(この時自動回避機能は発動しません)
機体に上部には、超広角ナイトビジョンFPVカメラを搭載。
1/1.8インチナイトビジョンセンサー、3μmピクセルサイズ、最大1080p/60fpsのライブ映像を実現。光への感度が高いため、昼夜問わずクリアで安定した映像を低遅延で伝送できるため、周囲環境の状態を確認しやすくなりました。
(夜間飛行は、航空法では特殊飛行に該当するため必ず申請をしてください)
バッテリーに関しては、新たにデュアルTB51インテリジェントフライトバッテリーに対応、最大飛行時間は28分可能になりました。Inspire2の時は、Zenumse X7装着時は最大で約23分の飛行となっていますので、5分飛行時間が延びていることが分かります。
急速充電モードでは、2つのバッテリーを約35分で0%から90%まで充電が可能なため、予備のバッテリー不足にも困りません。
TB51バッテリーは、冬の環境下に対応しており、低温度時は自己発電機能が発動するため寒い冬場の空撮業務でも難なく進めることができます。 2.機能面
機能面に関しましても、大幅にアップグレードされました。
Inspire3には、建築や測量の分野で使われているRTK高精度測位技術を搭載。cmレベルの測位が可能になり、精度の高い飛行ルートにより撮影効率が向上しました。
RTK測位用の2層式セラミックアンテナを内蔵し、3種類のGNSSシステム(GPSGalileo、BeiDou)の信号を受信可能。ネットワークRTKを有効、もしくはD-RTK2モバイルステーション(別売)を設置することで、追加モジュールなしで高精度の測位が可能になります。
また内部標定機能を搭載しているため、磁気干渉に対して耐性があります。
そのためほとんどの撮影現場でコンパスキャリブレーションが不要となりました。
Waypoint Proを新たに搭載し、飛行ルートや撮影計画を幅広くカスタム設定できます。新機能の「リピータブル ルート」と「3Dドリー」モードを使うと、革新的な自動撮影を簡単に実行できます。加えて、さきほど紹介したRTKのcmレベルの測位システムにより、精度の高い飛行ルートの計画や実行が可能です。
2つのモードの詳細な機能は以下の通りとなります。
・リピータブル ルート
この機能は、飛行高度、飛行速度、ジンバル角度、カメラ設定などの事前設定された全てのパラメーターを維持した状態で自動飛行をする機能です。同じ飛行ミッションを繰り返す事ができるため、難易度の高いワンテイクショットでも簡単に撮影することができたり、時間を変えながら複数回同じルートを飛行して、季節の移り変わりを長時間のタイムラプス映像で捉えられます。
・3Dドリー
この機能は、撮影現場にあるクレーンやケーブルカム、ドリーのような動きを実行する機能です。飛行ルートの計画後、撮影のニーズに合わせて飛行速度やジンバル角度などを調整しながら、手動で飛行ルート上で機体を前後に往復させることができます。これにより映画のような複雑なカメラワークを効率的に実行することができます。
Inspire2にあった機能の一つ、「Spotlight Pro」もさらに進化しました。
この機能は撮影対象物を自動で認識し、カメラフレーム内に捉える事ができる機能です。
2つのモードを搭載しており、「フォローモード」と「フリーモード」があります。
・フォローモード
機体とジンバルカメラは同じ方向を向き、被写体をフレーム内に捉え続けるモード。
手動でのフレーム調整が不要になり、被写体を中心に捉えたままサークルショットを簡単に撮影できます。
・フリーモード
360°パンに対応したInspire3のジンバルカメラが、被写体をフレーム内に捉え続けるモード。その間は、操縦者はFPVカメラを使って周辺環境を確認しながら操縦するため、より簡単に複雑な撮影ができます。 3.カメラ
つづいてカメラの性能についてご紹介します。
Inspire3には専用に開発されたDJI最軽量のフルサイズセンサー搭載ジンバルカメラ「Zenmuse X9-8K Air」は、最新の映像処理システムのCineCore3.0を搭載し、最大8K/25fps CinemaDNG動画や8K/75fps Apple ProRes RAW動画の内部収録することが可能です。S&Qモードでは、最大4K/120fpsのクロップなしフルサイズ撮影動画をProRes RAWで内部収録ができます。
このカメラは、デュアルネイティブISOにより、30fps以下のフルサイズ撮影の場合、EI 800/4000に対応し、映画制作でよく使われる24fpsを利用可能、30fpsを超える場合はEI 320/1600に対応できます。
14+ストップのダイナミックレンジに対応し、日の出や日没のような複雑な照度環境下でも明暗部のディティールまで鮮明に捉え、またハイダイナミックレンジにより後編集での選択の幅が広がり大きく露出を調整した場合でも、忠実な色合いを保持します。
DJI DLマウントに対応するレンズ群(別売)には、既存の24mm、35mm、50mmフルサイズレンズのほか、8K空撮用に設計された18mm F2.8フルサイズレンズと75mm F1.8フルサイズ望遠レンズ(後日発売予定)が新たに加わりました。
DJI独自のDJIシネマカラーシステム(DCCS)によりこのカメラは実物に忠実な色合いを捉えます。DCCSによって、DJI Ronin 4Dなどの地上ベースのシネマカメラとX9-8K Airで撮影した映像の色合いは容易にマッチするため、空撮から地上での撮影に至るまで一貫したカラースタイルを提供します。
ここまでできるとストレージの方が心配になると思いますが、
Inspire3は外部SSD「DJI PROSSD 1TB」が同梱されています。
容量は1TBと大容量で、書き込み速度1,100MB/s、読み込み速度900MB/sに対応しておりますので、ストレージ不足にも悩まされずに撮影することができます。 4.映像伝送システム
Inspire3は「O3 Pro映像伝送システム」に対応しています。
こちらは伝送距離・遅延・安定性の面で、従来のシステムから大幅に進化しました。
シングル制御モードでは最大伝送距離12km。(日本は6.4km)
そして、最大1080p/60fpsの安定した高画質ライブ映像を90msの超低遅延で伝送します。今回から初めて最大伝送距離5kmの4K/30fpsライブ映像伝送にも対応してUHD画質での映像出力やライブ配信へのニーズを満たしました。
デュアル制御モードでは、2台の送信機で機体操縦とカメラ操作をそれぞれ独立させて作業を行うことが可能です。
そしてコンシューマ機では初となる7インチ1200ニト高輝度画面を搭載した「DJI RC Plus」を同梱。バッテリーの駆動時間は、約3時間18分、ホットスワップに対応したWB37外部バッテリーを使用した場合、6時間まで駆動時間を延長させることはできます。HDMI出力ポートのほか、前面、背面、上部にカスタムボタンやカスタムダイヤルを搭載。使用アプリは「DJI Pilot2 アプリ(Inspire向け)」がインストールされています。 そして気になるお値段の方ですが、
Inspire3の価格は、1,769,900円(税込)となります。
セット内容には、先ほど紹介したX9-8K AirやTB51バッテリーが6本セット、PROSSD 1TBが同梱と、満足度の高い内容となっています。
このお値段でハイエンドのスペックを兼ね備えた最新のドローン「Inspire3」。
このドローンを使えば、これからの映像制作もより満足することになるでしょう。
最後まで一読ありがとうございました。
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