
今回は「ドローン情報基盤システム(通称:Dips2.0)」の飛行許可・承認申請に関する最新情報についてまとめました。
2025年3月17日~24日の間Dips2.0の飛行許可・承認申請機能がシステムメンテナンスに入りましたが、メンテナンス内容は「ドローンの飛行許可・承認申請を簡素化・迅速化」です。
主にどういった部分が簡素化されたのか/現オペレーターはどういった対策が必要なのかを解説させていただきます。是非最後までご確認下さい。
これまでのドローン飛行許可・承認申請
改正内容の紹介に入る前に、これまでの申請と改正に至った経緯をお話します。ドローンは航空法で規制されている飛行空域や飛行方法があります。
これを通称「特定飛行」と呼ばれています。
規制されている飛行空域 | 規制されている飛行方法 |
空港等周辺の空域 150m以上の空域 人口集中地区上空 緊急用務空域(原則飛行禁止) |
夜間飛行 目視外飛行 30m未満飛行 催し物上空飛行 危険物輸送 物件投下 |
この中でどれか一つでも当てはまれば、飛行の許可・承認申請をDipsで申請を行い、飛行の許可・承認書が発行されてから、飛行を実施することができる仕組みになっています。
申請をする際、機体や操縦者に対しての基本基準や追加基準が求められていました。
ここの基本基準とは、ドローンの性能や飛行者のスキル、安全確保体制などを指します。
一方、追加基準とは、飛行形態や飛行目的によって定められた安全基準を指し、飛行理由や飛行させる機体の種類によっても異なってきます。
追加基準を例として出しますと、夜間飛行を行う場合は、ドローンの姿勢や方向が正確に視認できるよう灯火を有していることが求められているため、機体のLED等の灯火が装備されていることを証明する必要があります。
この様な基準が、規制されている飛行空域や飛行方法ごとに異なっており、申請時に基準を満たしている事を証明するために機材の写真等の資料添付をする必要がありました。
そのため、申請者に求められる資料の準備や申請受付から発行されるまでの手続きに時間がかかる事があり、飛行予定日時に間に合わない事もありました。
国土交通省はこの問題を解決させるために、これまでの飛行・許可承認申請の手続きを簡素化、審査の迅速化を行うことを発表しました。

では、具体的にどの項目が簡素化されていったのかを見ていきましょう。
上記の画像は国土交通省のHPから確認することができますので、詳細が気になる方は、下記リンクから御覧ください。(外部サイトに移動します)
改正内容について
今回の改正について対象となるのは、「機体」と「操縦者」になります。具体的な内容に関しましては、下記の通りです。
機体 | 操縦者 |
◯機体の機能・性能に関する 基本基準への適合性を示す資料 ◯ 機体の登録記号等、製造者、 名称、重量等を示す資料 ◯ 機体の運用限界等を示す資料 ◯ 飛行形態に応じた追加基準への 適合性を示す資料 |
◯操縦者に関する飛行経歴・知識・能力を示す資料 ◯操縦者の追加基準への適合性を示す資料 |
この項目は、従来の申請をする時に基本基準/追加基準の適合性を示すために、適合性の説明と適合性の内容を確認できる資料添付が必要でした。
ですが、3月24日施行された審査要領改正により、申請者自らが機体と操縦者の基本基準/追加基準への適合性を確認頂き、その確認結果を申請する方法へと変更されました。これにより、適合性への説明は簡素化され、資料添付も省略される形式になりました。

申請書式が簡素化されることは、具体的にどういう形式になるのかというと、
下記の画像のような形式に一新されます。


こちらの画像を見てお分かりいただけるように、操縦者情報の登録も許可承認申請の追加基準も【適・否】いずれかにチェックを付ける形式に変更されており、適合性が満たされていれば、「適」にチェックを付けるだけで完結するようになっています。
それぞれどのように変化しているのか見ていきましょう。
・操縦者情報の登録
操縦者につきましては、飛行申請を行う度に、対象の操縦者に追加基準適合性を入力する仕様となっており、申請の度に入力操作を行う手間が発生していました。
これからは追加基準適合性を操縦者を事前登録する段階で一括入力する仕様になり、一度入力してしまえば、それらの情報を申請時に毎回入力する必要がなくなりました。そのため、それ以降の申請手続きが容易になりました。
・許可承認申請の追加基準
許可承認申請時では、【適】にチェックを付けていただければ、基準を満たしている事を証明する写真や取扱説明書等の資料添付も不要になり、従来の申請よりも大幅に簡素化されています。申請する度に資料を毎回用意をする手間が省かれているため、ここの改正はかなり嬉しい内容なのでは無いかと思います。
適合性が満たされていなければ、「否」にチェックを付けて、代替的安全対策を示す必要があります。例を挙げますと、上記画像の二枚目の「【否】を選択した場合には~…」以降のチェックがある文章が代替的安全対策になります。
これ以外の対策を講じる場合は、その他にチェックをつけ、対策を記入します。
このように従来の許可・承認の申請と比較するとかなり手間が省けて、申請者側にかかる負担はだいぶ軽減されています。
Dipsへの資料添付は不要になりましたが、申請にあたっては事業者でこれまで通りの資料を作成し、 具備しておく必要がありますので、ご注意下さい。
ただ一点注意してほしいところとして、こちらの資料添付の省略は全ての飛行方法に割り当てられているものではありません。

こちらにも記載されている通り、下記の内容については引き続き資料添付は必要です。
・飛行概要における飛行経路
・催し場所上空飛行の立入禁止区画図
・レベル3飛行に必要な追加基準
以上が飛行許可・承認申請の簡素化についてでした。
申請が簡素化・迅速化されることは、大変喜ばしい内容ですが、航空法は法律である以上改正される可能性はありますし、特定飛行をするのにも係わらず申請を行わず飛行させたりやドローンで重大な事故等を起こしてしまえば、今後Dipsの許可・承認申請等に何かしらの影響を与える可能性がありますので、特定飛行の申請や航空法のルール・マナーについて十分理解した上で、ドローンを飛行させてください。
最後までご一読、ありがとうございます。
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